【海鞘・老海鼠・富也・保夜】ほや…という辞書的な説明をされてもピンとこないかもしれないけれど、
脊索動物門 尾索動物亜門尾索綱ホヤ目の原索動物の総称。
すべて海産で汽水にも生息し、単体または群体をなす。
単体のものは球形または卵形で硬い被囊ひのうで覆われ、体の下端で岩などに固着する。
上端に入水孔と出水孔があり、食物を水とともに吸入する。
雌雄同体。幼生はオタマジャクシに似て浮游生活をし自由遊泳する。尾に脊索がある。
単体で食用となるマボヤ・アカホヤ、
群体をなすイタボヤなど、多くの種類がある。
夏(三夏)の季語
『海のパイナップル』と呼ばれ『日本酒を格別に旨くする肴』として有名な【ホヤ】と言えばお馴染みだろう。
昔っから、
「海鞘が出て酒宴俄に乱れけり/堀胡蝶」
「酒に海鞘火の気なき炉に顔寄せあひ/石川桂郎」
など、酒にまつわるホヤ句が多いことからも、酒⇔ホヤの関係性が深いことがうかがえる。
そして、
三陸の新鮮な天然ホヤが揚がり、
ヘヴィー・ドリンカーが多い八戸においては
ホヤは日常的に欠かせない重要アイテムといっても過言ではないだろう。
八戸横丁連合協議会のマスコット・キャラ「よっぱらいホヤじ」の存在が、横丁大国八戸におけるホヤの定着ぶりを如実に物語っている。
そんなこんなで、八戸の夜(横丁)では、ホヤはほぼ間違いなく酒のアテとして三杯酢で(夏は更にキュウリを和えたりなんかして)ツマむのがテッパン定番だけれど、八戸の朝(朝市)には、あえて加熱調理を加えてオイシくモリモリ食べる“朝ご飯”もある。
『おかず家』で製造販売する「ほやめし」がソレだ!
『おかず家』店頭には、三陸海岸に面した地域ではチョッと贅沢な炊き込みご飯としてお馴染みの「うにめし」も並んでいるけれど、やはり「ほやめし」のいろんな意味でのインパクトは大きい。
我々、磯の民である八戸人にして、新鮮なコンセプトと響き…
ほやめし
一瞬、“あの”ホヤをご飯に入れて炊いたら……と、
ネガティヴな想像をしてしまって、なんかアレな気持ちになった人も多いかもしれないけれど、
ソレは大間違いだ。
「おかず家」の絶妙な炊き加減もあって、「ほやめし」は「うにめし」に匹敵する上質な汐風味をご飯一面まんべんなく発揮し、米の旨味さえ引き出しているのである。
たしかに、ライス・ワインとも呼ばれる主原料:米の日本酒を旨くするホヤが、お米のご飯と合わないワケがない。ご飯を美味しくするという“理屈”も酒的観点で見れば大いに筋が通る。
旨いに決まってるのだ!
実際、某有名大食漢タレントや有名エッセイストなどが「おかず家」を御利用になった実績もあるという。
しかし、当の本人達はその事さえ自ら吹聴・自慢することもなく、何事もなかったかのように笑顔で淡々と接客に励む。
美しかったり可愛らしかったりする女性だけで営業する華やかな「おかず家」だけれど、メディアや有名人の威光に乗じようともしない芯の太さや潔ささえ感じられ、とても好感がもてる。
こういう実直な店の品は確かなのだ。
そんな『おかず家』さん
平日には階上町の道の駅でも販売しているそうだが、そちらでは「うにめし」が中心だそうで、「ほやめし」は主に館鼻岸壁朝市での販売になっている。
「はやめし」食べたきゃ、日曜に早起きして館鼻岸壁においでよ☆
(ほやめしは早々に売り切れてしまいますのでお早めに)
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