三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震により被災されました方々・ご家族・関係者の皆様方に、心よりのお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。
また八戸市を含む被災地各所に対する数々の励ましと多くのご援助に、八戸市民として心より感謝いたします。
実のところ、先週の3月13日に、館鼻岸壁朝市と湊山手通り朝市が開催され、それを皮切りに今期の八戸朝市が順次スタートする……予定だった。
しかし、3月11日に発生した東北関東大震災では沿岸地域・市川地域で多くの被害を被った。
日本有数の巨大朝市として有名な館鼻岸壁朝市の、そのまさに「館鼻岸壁」も津波の直撃を受け、朝市の開催どころか岸壁としての機能さえも不能となってしまった。
残念ながら今月26・27日に開催される予定だった「八戸みなと朝市まつり」も中止。
被害は当然、朝市や沿岸地区だけに留まってはいない。
しつこいくらい続く余震に、そのつど怯えながら、電気も無いまま蝋燭とラジオだけで眠れない夜をなんとかやり過ごしてきた。
まだまだ厳しく冷え込む東北の夜に、あまりにも貧弱な応急暖房器具で、ささやかな暖をとる日々。
今はなんとか表面的に平常を取り戻しつつあるようだが、まだまだ物資の不足や余震は続き、先の見えない状況には変わりがない。
震災は未だ終わってはいないのだ。
そんな不安と疲弊の中、
八戸朝市の先陣を切って湊山手通り朝市が開催された!
湊山手通り朝市は、「湊」と付くとおり、被害甚大な沿岸地区で開催される朝市で、あの館鼻岸壁朝市の母体となった場所でもある。
今回の震災でも避難勧告・指示が出た地域だが、さいわいギリギリのところで直接的な物理被害は被っていない。
今朝の朝市は、13日開催予定から1週間遅れの…というよりも、あえて“今”だからこそ開催すべきだとの強い思いによって開かれたようだ。
未だライフラインが正常に戻っておらず、物資の供給もままならない“今”こそ、近隣から地場産品や手作りの品々を持ち寄って活気づけようというのだ。
確かに自動車の給油さえままならない現状では出店者も利用客も集まりようがなく、人の出は少ない。そのため通常よりも品物の種類や数も少ない。
しかし、朝市は物品の売買をするだけの場所ではない。
朝市は地域のコミュニティという大きな役割を担っているのだ。
まるで、しばらく会っていなかったかのように、先週からの長い1週間を報告し合う地域住人や常連客と店の人達。
ソレはソレゾレの人達がソレゾレに大変な苦労をしてきたということに他ならない。
そして同じ不便や不安を乗り越えてきたお互いに共感し、確認し、励まし合い、称え合う「会話」なのだ。
集まった方々の会話の中には、自らも被災地の住人でありながら「もっと酷く辛いところもある。私達はまだまだいいほうだ」、「いまも被害に苦しんでいる人達がたくさんいる。我々も何か出来る事をしてあげたい」など、余所の被災地を気遣う言葉も多く聞かれた。
この心根の優しさとバイタリティを持つ八戸人だからこそ、八戸の朝市は、そして街は、こんなにも栄えてきたのだと、改めて実感させられた。
そして、震災発生以来、払拭できないでいる不安や心掛かりが、すこしだけ癒えたような気がした。
こんな時だけれど、朝市に来てみて良かった。
まだまだ油断は禁物です。しかし復興に向けて着実に前進しています。
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